▼やすらぎの樹 小説

□3歩先を行く君はとても...
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1「空色の手袋は君のように暖かくて」



君から初めてもらったプレゼントは手袋だった。

5才の頃、3才年上の君は、僕が手によく霜焼けをつくっていることを知ったのだろう
不器用ながらに手作りの青い手袋を渡してきた。
ちょっと照れながら、でもとても満足げに。

その顔を見て僕は、嬉しくて嬉しくて
手袋と君の顔を交互に見ながら笑って
「ありがとう」
と言った。

その言葉に君はまた笑みをこぼす。

「つけてっつけてっ!!」

と、君が言うのでちょっと形の崩れたミトン型の手袋を手にはめる。
少し大きかった...。

すると君は
「ちょっと大きかったね...」
と、言って眉間にしわを寄せる。

険しい顔をする君に僕は
「大きくなっても...使えるから」
と必死にフォローすると

君は声をあげて笑いながら言った。
「あははっ!そうだね!!」




ふと空を見上げると
雲1つない綺麗な空が広がっていた。

空から視線を戻すと
なんの曇りもない綺麗な顔で
君は笑っていた。
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