賢者の石
□9と3/4番線からの旅
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スネイプと別れたあの日から、およそ一月が経過した。
サマンサは時間があったので、色んな事をとにかくやった。
スネイプのレポートを片付けて、余った時間で教科書を読み、杖を振る練習もしてみた。
心配だった英会話も、ハグリッドと話す内に、なんとか様になったようだ。
それから手伝いで森へと行き、何度か食事を一緒にして、あっという間に日々が過ぎた。
『あ、ひとつだけ忘れてた』
ある日の晩にサマンサは、引き出しから包みを取り出した。
カラフルな包装紙の端に、カムカムキャンディーと書いてある。
『…………賞味期限とか、あるのかな?』
隅々まで包みを見てみたが、特に表記は無いようだ。
『ま、いっか!そろそろ帰ってるだろうし、渡しに行こう』
サマンサはそれを鞄に入れ、勢いよく小屋を飛び出て行った。
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