賢者の石

□組分け帽子
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それからは勉強や調合の仕方など、二人で当たり障りのない話しをした。

しばらくして暖炉の火が弱り、それが片付けをする合図となった。


『そうだ!教授、やってみたい調合があるので明日の放課後来ても良いですか?』

「かまわん。だが、我輩が居るときのみだ」

『わかってますよ。危険ですからね』


サマンサが出したその答えに、スネイプは深く頷いて見せた。

教師らしいというべきなのか、彼は律儀なことが多い。


『ではまた明日!おやすみなさい!』


了解されたことに安堵をし、サマンサはスキップで帰った。



◇◆◇◆◇



サマンサが寮に戻ったあと、研究室は静寂に包まれた。

一人取り残されたスネイプは、誰も居なくなった空間に向けて溜め息をこぼす。

杖を振ってまた暖炉に火をつけると、さっきまでもう一人居たソファーに深く腰かけた。


「スリザリン、か…」


組分け帽子がそう叫んだ時、スネイプは内心安堵していた。

魔法薬の才能は目を見張るものがあるし、ハリー・ポッターを監視させる事もできる、と。


「それ以外の理由など、在りもしない………」


スネイプは暗闇に向かって呟くと、燃える暖炉の火を消した。


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