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□告白大作戦
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今度のテストの点数が一番低かったやつが一番点数が高かったやつの言うことをなんでも一つ聞くこと、なんて王様ゲームかよ。今更ながら変なゲームの誘いに乗ったことを全力で後悔している。

「一番点数低かったやつは"あの"先生に告白すること。」

一番点数の高かったやつが得意気に、それはもう悪い顔でいい放った。ふざけんな!という反論は受け入れられず、罰ゲームもとい告白をするために俺はとぼとぼ廊下を歩いている。これが同級生や先輩後輩、百歩譲って違う先生ならばまだよかった。笑い話や痛い思い出くらいで済んだだろう。ああ、あの頃は若かったな、みたいな。しかしだ。やつが名指したのは我らがクラス担任。そいつはやたら顔がよく、ワイルドな大人の色気?みたいなものを振りまき、昔は相当な不良で、一人で敵対勢力を潰したとか、実はヤの付く職業だとか、色んな噂が絶えない。この学校じゃ知らないやつはいないだろう。しかし、顔はいいからとにかく女子にモテる。告白した子はたて続けにふられているらしいけど。(つまり、女子が怖い。)まあ、なら俺もふられるだろう、いや絶対ふられるな、ていうか俺も先生も男だし、と悪い意味なのか良い意味なのかはわからないけどとりあえず自信満々に先生のいるであろう職員室へと向かう。職員室の札が見えたときにちょうど先生が出てきた。タバコ隠せよ。

「先生!」
「あん?」
「・・・あん?って、そんな返事してたらダメですよ。」
「・・・要件はなんだ?」
「友達とテストで一番悪い点数取ったやつが罰ゲームするってゆう賭けをしたんです。で、一番悪かったのが俺。」
「あの中でか?お前よっぽど点数悪かったんだな。」
「まあそれは置いといて。」
「・・・・・」
「そうゆうわけで先生、俺と付き合ってください!」
「・・つまり?」
「罰ゲームです!」

よし、言った!言い切った!何故かどや顔付きで人生初の告白とゆう名の罰ゲームをあっさりと済ませると、先生の眉間にぐぐっと深い皺ができた。・・・もしかして罰ゲームのネタにされたことを怒ってるのだろうか。きっとそうだ、やばい。これはまずい。謝ろうと口を開くと先生に先手を打たれた。

「・・・お前を、」
「ごめんなさい!・・え?ん?」
「好きだと言ったらどうする?」
「?」
「俺がおまえを好きだっつったらどうするんだよ。」
「はい?」

まったく意味が分からないのですが。明らかにそう言いたげな顔をしていたせいか先生はまた眉間に皺を寄せた。俺の今の顔を言葉にするときょとん、まさにそんな表情だろう。あれ?そういえば今なんかすごいことを言われたような?

疑問が沸いてきたとき、もう先生はいなかった。



告白大作戦
ミッション・インポッシブル?

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