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□精神安定剤
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どうしたの?やめてよ!そんな目で私を見ないで!私何かした?気に障った?怒らせた?私はあなたのことを大切に思ってるだけなのに!この前だって女の子たちに迫られて困っていたから、私が助けに行ってあげたでしょう?この人はわたしの恋人だから手を出さないで、って。女の子たちはその後どこかに消えたけど、あんな子たちなんてあなたには必要ないわよ。分かってるわ、大丈夫。あなたは優しいから、いつもあの子たちの前では笑顔で楽しげなフリをしてるだけなんでしょう?でもそんな必要もうないわ。私が女の子たちに言ってあげるから。ねえ、これで大丈夫。私あなたのたもならなんだってできるから。あなたが望むなら私なんだってするから。だって、私にはあなただけだから。私を利用したっていいから。バカな女って思ってもいいから。なんだってするから。だから私のこと嫌いなんて言わないで。私、今まであなたにたくさん尽くしてきたじゃない。私、あなたの迷惑だった?ねえお願い、別れたくない、あなたともっと一緒にいたい、また愛してるって言ってほしい。だからそんな目で私を見ないで。おかしくなっちゃうから、おかしくなる、おかしく、なる。








「お前、おかしいんじゃないのか。」
「え、…」
「お前は一年前に、親父とお袋と一緒に交通事故にあって、それからずっと意識失ってただろうが。昨日やっと目を覚ましたと思ったらこんな妄想ばかり……もうやめてくれ、正直、…気持ち悪いんだよ。」
「っ」
「俺とお前はただの兄妹だ。お前の恋人なんかじゃない。」

なに言ってるの、私は、あなたの、こい、び、とだよ、ね?




暗転
精神安定剤

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