駄文
□カラフル
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死んだはずの俺の魂が、ゆらゆらと何処に向かおうとしていると、長い髪をしていて平安時代の貴族の様な格好をした男が行く手を遮って、
「おめでとうございます、あなたは抽選に当たりました!」
とにっこりと笑顔で言った。
俺はよくわからずに言葉を返せずにいると男は
「状況が理解出来ないのも、よくわかります。貴方は大きなあやまちを犯して死んだ罪な魂です。普通ならばもう二度輪廻のサイクルにもどることは出来ませんが、神の気まぐれで選ばれた魂が下界に戻りサイクルにもどるチャンスを得るのです」
俺に目があったら丸くしていただろう。
でも正直もう二度下界に戻りたくない気分だった。
「せっかくだけど、辞退します」
と言うと男は、そう言うと思ったと言わんばかりに
「残念ですがそれは無理です。神の決定は絶対なので」
と答えた。
俺は肩をがくりと落とした。
………いや、肩なんてないのだけれども。
「さぁさぁ、なんでも実践あるのみです。行きましょ」
男にせかされ、慌てて俺は
「あなたの名前は?」
と尋ねた。
「佐為と呼んでください」
と男は天使の様な笑みを浮かべた。