ネタ
□苦労人クロウ
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まただ。
またあの人が舞台裏で色々やらかしている。
今日はオークションの事前準備をしに降りてきたのに。カーテンの隙間から気付かれないように覗いたつもりだった。
なのに、すぐにあの人がこちらに振り向く。目が合った。そしてにっこりと微笑まれた。
全くなんだっていうのか。
最悪だ。
「クローーウ!!今日も可愛いね!!もう何ていうか世界が嫉妬するぐらい可愛いね!!」
「…なんであんたがここにいるんだ」
「今日はここに来ればクロウに会えると思ったからさ!『オンナのカン』ってやつだよ」
オンナのカンはすごいのよ!と連呼するなまえ。
カンのみでオレの居場所まで特定できるのか?
いやできないだろ。
その前に、入口の前ではプチックが見張りを…追求するのは止めるか。
「それで?可愛い可愛いクロウくん、今日はオークションの日かい?」
「そうさ、だからここに来たんだ。あといちいち可愛いとか言うの止めて欲しいね」
「クロウが反抗期!」
商品を整理し始める。後ろでなまえが騒いでいるけど、気にしない事にした。
何が反抗期だ。
オレは真実を言ったまでだ。
あと変に年上ぶっているところにも腹が立つ。あんたとオレ、2歳しか違わないから。
特に可愛いとか言われると、なまえの足を踏み付けたいぐらいにはイライラする。しないけどな。
「クロウ、商品の整理は終わった… なまえさん 、そと、出ようか」
「離せバジャー!!」