SO WHAT ?

□不思議な女の子
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俺の顔を見た女は起き上がろうとしたので新八に手伝ってもらいながら上半身を起こした

「まだ痛ェのか」



「…大丈夫です」



女は別人のように変わっていた

先ほどのような勝手な態度はなく

虚ろだった目はしっかりと目の前を捉えている





先ほどようなの不可解な行動は
弱って朦朧としていたためだったかもしれない。

訳が分からない。と困ったような表情である。



「誤解すんじゃねえよ?
俺らがお前を攫ってきたわけじゃねェんだからな。」


「……」


「あのな、お前が勝手に我が家に入り込んでいたんだぞ」


「…」


「覚えてねェなら、別いいんだけどよ」


「はい…」






「動けるようならとっとと帰んな

年頃の女ずっと置いておくわけにはいかねェんだ」

そう言うと

女は深刻そうな顔をした



そして、「帰る場所がない」とだけ呟いた


「ない?」

「はい」

「…」



はぁ、どうせ家出でもしただけなんだろ?


そんでなんやかんやで怪我したんだろ?

んなもん親に頭下げりゃいいことだ


本当に行く場所が無いなら、ホームレスでも何でもなればいい。


どっちにしても、
江戸は冷たい街なんだ。自分の身は自分でどうにかするしかねェ。


ウチは貧乏だ

俺一人でもギリギりだってのに、
大食い娘と役立たずのメガネまで居やがるんだ。



そんなこんなで女を追い出す言い訳を考えて…








でも


「帰る場所がない…」

女はもう一度それだけ呟いて俯いた



「いや、あのね?
おとーさんおかーさんも心配すんだろ?」

「両親は私が小さいころ亡くなりました」


オイオイ。

なんだかヘヴィな話になってきやがった


「そうか…」
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