マシュマロだって恋をする
□ドキドキ初詣
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1月1日、元旦の朝。
「結局、あんま眠れなかった…。」
くっきりと目下に隈を作りため息を吐いた。
昨夜、あんな事をしたのだ…ぐっすり眠れるはずなどない。
ーコンコンッ
「どうぞ。」
「グッモ〜ニン♪って優芽ちゃん何その顔っ!!」
勢いよく入ってきたルパンは優芽の隈を見るなり大袈裟に驚いた。
「眠れなかった…」
「あらま、昨夜五ェ門と熱〜いキッスしたもんだから悶々としちゃったかな?」
「〜〜〜!!」
途端に顔を真っ赤にして悶える優芽が可笑しくて、ルパンは腹を抱えて笑った。
「さ!優芽ちゃん支度して!」
「え?なんで?どこ行くの!?」
「決まってんでしょ、初詣♪」
「は、初詣?……泥棒も初詣するの?」
「するよ、するする!ちゃ〜んと神様に『今年も捕まりませんように』ってお願いしないとね♪」
「へぇ〜…」
「んじゃ、これに着替えなさい!」
「…………え?」
これ、とルパンが差し出したのは
「着物?」
受け取り広げてみると、淡いピンクに白や紅の花が描かれ更に金の刺繍が施された晴れ着。
「綺麗…!」
「ンフフ♪でしょ?不二子ちゃんからの贈り物!」
「不二子さん帰って来たの!?」
「いんや、それが仕事が長引いてるらしくって帰って来れないんだとさ。そんで、これだけでも届けるから優芽ちゃんに渡しといてくれってさ。」
「不二子さん…」
「そうそう!『追伸、ワン太郎借りたままでごめん!元気にしているわよ!』だ〜って。」
ニコッと歯を覗かせて笑うルパンに優芽もつられて笑う。
「でもさ、優芽ちゃん着付けできる?」
「ふっふっふ…ルパンさん私を誰だと思っていらっしゃる?」
「ほぇ?」
ゴソゴソと仕事用の鞄から何かを取り出しルパンに差し出す。
「私、こういう者です。」
それは普段仕事で使っている名刺。
そこには『着物アドバイザー 銭形優芽』の文字。
それを見たルパンは、目を丸くして色々と納得したように笑った。
「これはこれは!お見逸れしました♪」
「さぁ!すぐ支度しますので出ていってくださいな!」
「へいへい♪」