泥棒達と風使いの少女
□幼さの理由
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「あら不〜二子ちゃん!いらっしゃい♪」
「ルパァン、今回の獲物がなかなか手強いの…手伝ってくれない?…あら、その子は?」
その日、平和なアジトを訪ねて来たのはルパンを惑わす魔性の女峰不二子。
リビングに入るなり仕事の話を持ちかける不二子の目に、次元の腕に抱き上げられはしゃぐ美羽の姿が映る。
「あ〜、この子は美羽ちゃんっつってな、」
「パパ!次元はすごいぞ!何でも知ってるんだ!」
「…パパ、ですって?」
「あ〜違うのよ不二子ちゃんこれには深〜い訳が…!」
「知るもんですか!この浮気者!」
「うぎゃあぁぁ〜!!!」
不二子の強烈なビンタをくらい、ルパンは一瞬にして壁にめり込む。
突然の事に、次元から家で暮らすためのルールや家具家電の使い方を教えて貰っていた美羽は目を丸くして固まった。
「お前、誰だ?」
「あら、私の事かしら?」
「こら美羽、“お前”じゃなく“お姉さん”だ。」
「お姉さん、誰だ?」
「私は峰不二子、よろしくね♪それにしても次元たら…まるで教育パパね。」
「次元はパパじゃない!ママだ!」
「えっ?」
美羽の言葉に、今度は不二子が目を丸くして次元と壁にめり込んだルパンを交互に見る。
「やだ、知らなかったわ。どうりで…。」
「おい、何が『どうりで』なんだよ。」
腕の中で「しまった…!」と焦る美羽の頬をつねりながら、あからさまに嫌悪の視線を向けてくる不二子に次元は低い声を発して睨んだ。
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「まぁ!じゃあ、あの国の技術はそんなに発達していたのね?」
「そう言うことだ。しかしこいつは、その化け物みてぇなロボットを一瞬で吹き飛ばしちまったんだ。」
「この子に、そんな力が…?」
次元に事の経緯を聞いた不二子は、それでも信じられないといった表情で美羽を見た。
次元の膝の上で、赤く腫れた頬を涙目で押さえているこの少女に
ロボット兵を吹き飛ばす程の力が、本当にあるというのか…。
「おー痛ぇ…不〜二子ちゃん、ちったぁ手加減してちょうだいよ。」
「ふふ、だってルパンは不死身なんでしょ?」
「それとこれとは別でしょーが!」
「そんな事より、この子に力があるって本当なの?」
ムキーッと猿のように騒ぎ出すルパンを無視するように、不二子は身をのり出して美羽の顔をまじまじと見る。
すると、今まで大人しく座っていた美羽も同じように身をのり出す。
次元が慌てて腕を回し落ちないようにしてやると、更に身をのり出して一点をじっと見つめている。
その視線の先には…
「大きい…次元!不二子は大きいぞ!」
興奮したように叫んで不二子の豊満な胸を指差す。
「ああ。このお姉さんはな、乳と態度がでけぇんだ。覚えとけ。」
「そうなのか!?」
「ちょっと、何よ次元!失礼しちゃうわ!」
次元がニヤニヤ笑って吐いた台詞に、不二子はムッと頬を膨らめる。
「なぁ、お姉さん!」
「不二子でいいわよ♪なぁに?」
「触ってもいいか!?」
「えっ?」
元気よくキラキラとした目を向けてくる美羽に、驚いた不二子よりも先に騒ぎ出したのはこの男。
「ちょ〜っと待った!こら美羽!不二子ちゃんの柔らか〜いおっぱいは俺様のもんだっ!」
「そ、そうなのか!?なんでだ!?次元、なんでだ!?」
「そりゃあ、お前さんのパパがとんだエロ親父だからだろうな。」
「ちょっとぉ!勝手な事言わないでよルパン!さぁ、美羽。いらっしゃい?」
子供相手にギャーギャー騒いでいるルパンを横目で睨み、すぐに優しく微笑むと美羽に向け腕を広げる。
「いいのか!?次元!離せ!あっち行く!」
「へいへい、ほらよ。」
途端に手足をバタバタと暴れさせる美羽を次元は顔をしかめながら床に降ろす。
そして解放された美羽は、一直線に不二子の胸へと飛び込んだ。
「おお!柔らかい!柔らかいぞ!次元!」
「そりゃ、良かったな。」
「あぁん、そんなに揉んじゃダメよ…」
「ふふふふ不〜二子ちゃん!俺も揉み揉みしたぁいな♪」
「嫌に決まってるでしょ。」
「そぉ〜んなぁ〜…」
項垂れるルパンを他所に、ひたすら目を輝かせながら不二子の胸を堪能している美羽。
その様子を
次元はため息と同時に煙草に火を点けて、どこか微笑ましく眺めていた。