* NO.6

□Summer
4ページ/4ページ

_


・・・ネズミに、抱きしめられてる?
もしかして、よっぽど苦しい?

「ネズミ、ほんとに大丈夫か?
熱でもあるとか?どこかに出かけたいのか?
一人で立てないよな、どこまで行きたいんだ?」

「・・・あんた、ほんとに鈍感、うざい。」

「え?」

ネズミの腕に力が籠もったかと思うと、
全体重をかけられて、後ろに倒れこんでしまった。
僕の上には、ネズミが乗っている。
耳元にはネズミの顔があり、息が僅かだが乱れていた。

「もういいから、・・・つかれた・・・」

「・・・うん、おやすみ。」

紫苑はそっと微笑むと、
暑く火照ったネズミの背中に、
そっと腕を回して、優しく撫でた。




fin.   

_
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ