* NO.6
□星屑
2ページ/4ページ
_
「・・・ネズミ、君と出会えてよかった。」
僕はネズミに向けて、精一杯の笑顔を向ける。
そうしてないと、泣いてしまいそうで
泣いたら君が困ると思って
「俺もだよ、紫苑。 」
ネズミの手が、白くて透明な髪に置かれる。
灰色の瞳に吸い込まれるように、目線が重なった。
口角は上がっているのに、俯くネズミ。
・・・サヨナラ?
最後の言葉が見つからない。
「ネズミ、僕は大丈夫だから。」
俯いたネズミに言葉を落とす。
するとネズミは顔をあげて
「ごめん。」
「謝るなよ、僕は平気だから。」
また、微笑みを浮かべて
平気そうに笑ってみる。
「・・・まだ、強がってんのか?」
ネズミの声色が優しいものに変わる。
「強がりなんかじゃない。
僕の泣き顔なんかもう、見たくないだろ。」
「紫苑・・・」
「君が僕を思い出した時、一番綺麗な僕を覚えててほしいんだ。」
_