* NO.6

□夏祭り 2
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「・・・・はあ。あんたってほんと鈍感。」


「う、うるさいな!」


「紫苑、」



ネズミの濃灰色の瞳がこちらを見つめる。



「なんだよ」



「あんたは俺の気持ちにも気づいてないだろうから教えてやるよ」


「え?」


ネズミは優しく微笑み

僕の顎に指を添えた。



心臓が高鳴るのが自分でもわかった。



「ふっ、顔真っ赤だぞ 緊張してるのか」

「だ、だってここ、人通りがっん!!」


喋る口を無理やりふさがれ、驚く。

暑くて、汗が滴る。

すこし甘いような気がした。



「ん、・・・ネズミ」



「そんな顔するな」


ネズミは目を逸らし頭をかく。



「あんた、イヌカシにキスしただろ」


「!・・・ああ。」


「・・・そういうのやめろ、好きでもない奴に気休めでしたりするの」


珍しくネズミの目が泳ぐ。


もしかして、嫉妬しているのだろうか?



「ああ、ごめん、ネズミ・・」


「許さないって言ったら?」


「え?」


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