* NO.6

□夏祭り 2
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許さないっていったら・・どうしよう。


土下座とかか?ネズミの好きな食べ物買ってくるとかか?

いろんな考えを頭の中でめぐらせていると
ねずみが噴出す。



「なんで笑うんだよ」



「あんたほんとに見てて飽きない」



ネズミの無邪気な笑顔にトクンと胸が高鳴る。



「だって、どうしたらいいかわからない
なあネズミ、どうしたら許してくれる?」


「・・・これ、」


え? 差し出されたのは食べかけのリンゴ飴。


「くれるのか?」


「違う。・・・あー」



ネズミが口を開いてこちらを見ている。


な、なんだ?



僕はとりあえず渡されたリンゴ飴ごとネズミの口へ運ぼうとする。


「はい」


ネズミに遮られてしまった。

しかめっ面をしている。

あれ、なにか変なことしたか?




「はあ・・・」


大きなため息をつくネズミ。



「なんだよ?」


「もういい、それやる」


「ほんとか!ありがとうネズミ!」




すると紫苑は嬉しそうにリンゴ飴を頬張る。

・・・かわいいな。


「なあネズミ!みて!リンゴでてきた!」


リンゴを齧る紫苑。

俺はたまらずに



「んっ!?」


紫苑に口付け、唇の隙間から舌を入れ

林檎を紫苑から奪うようにして自分の口に運ぶ。



「ん、ごちそうさま」



見ると紫苑は真っ赤になって

何も言えずになっている。


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