長編-僕がもう少し大胆なら


□第3章
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「全然ええで!またわからへんとこあったら言ってな!」


優しい声で話すさやかちゃんは私が思ってたとおりのモテ女や。
さやかちゃんはショートカットで制服も着くずしてるから、勝手にクールな子なんかなあとも思ってたんやけど、ほんまに気さくで誰にも優しい。

私ですらクラッとくる爽やかな笑顔は、私の笑顔とは違う魅力を秘めていると思う。綺麗な顔立ちも人を惹きつけんねんな。




でも、私がさやかちゃんを落とすって決めたんやから。

せやから意地でもさやかちゃんに好かれたんねん。



「ほんまにありがとう。」

できる限りの笑顔でさやかちゃんに語りかける。それも、さやかちゃんの手を握りながら。


「おー。」

照れたように目線を外すさやかちゃんを見て、私は満足する。

私、ほんまに天才かもしれへんなあ。さやかちゃんは色んな人に好かれて、色んな人と付き合ってきたんやろ?そんなさやかちゃんの心まで揺さぶれんねんで。



こうなったらもっと話しかけるしかないやん。



そう意気込んで笑顔で後ろを見ると、さやかちゃんの驚いた顔と視界の端に映る菜々ちゃんの暗い顔。




菜々ちゃん、どうしたんやろ。私がさやかちゃんと仲良く話してるからかなあ。
菜々もさやかちゃんのこと気にかかってんねやろか。



やっぱりさやかちゃんはモテモテやなあ…
競争率やばいんちゃう?あかんなあ、さやかちゃん……………





…ちゃうちゃう!私がさやかちゃんを落とすんやから!幼なじみやからって菜々ちゃんに負けるわけにはいかへん!




「なあなあ、さやかちゃん、今度一緒にお茶せえへん!?」






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