紫黒桜
□弐
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「――ん。……またか」
気が付くと瞳孔に光が入って来る。
就寝した時は部屋の明かりを消していたはずだ。
つまり、また夢の世界に来た様だ。
『あっちの世界とこっちの世界が繋がって、其の玉の力で君があっちに行ってるんだよ!! 君の夢じゃなくって、本当に他の世界なんだよ!!』
「……」
あの声が再生される。
「……違う世界……」
ぼそっと呟いてみるが理解出来ない。
少し考えて頭を振る。
「……どっちにしろ、変わらない」
近くには箱が在った。
中身を確かめるとそれにはごていねいに前に使った物はずの物が何事も無かったかの様に入っていた。