紫黒桜

□壱
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「――え? 何この服?」

いつもと勝手が違った。

自分の服には今まで気が向かなかったが、よくみると自分は着物の上に袴を着ていた。正月の時にテレビで見る様な飾られた物ではなくシンプルで地味な物だった。

靴も草鞋で、いつもとは違う感じがした。

「……ますます珍しい」

今までの夢では自分の服はいつも着ている洋服のことの方が多い。

和服は着慣れていないから、どこにどう仕舞っていいものか解らない。

「……仕方ない持ってるか」

そう、諦めた時。

ゴウッ!!

「わっ」

急に強風に押され、その力に逆らえず尻餅をつく。

強風が止んだ後、反射で閉じられた瞼を開く。

少し、目線を動かした先にあったのは――、


ロボッ……ト?
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