紫黒桜
□参
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パチッ
「いっ」
右上肢に静電気が走った様な痛みがした。
しかし、周りを見渡しても、静電気を発しそうな物質は見当たらなかった(あるのは木と草と畑と田と道位だ)。
右上肢を診ても、異常は診られなかった。
気のせいだったのか――と思ったその時。
ガサッ トッ
木から何かが落ちて(降りて)来た。
そして、視線が合った。
「「…………」」
良く観ると袴を着た少年で、自分のと比べると青を基調としている服装だった。
「……アンタ、誰だ?」
そして、右目が髪に隠れ、見えなかった。
「私は桜、医者見習い。……君は?」
「医者……? オレは……梵天丸だ」