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□真夏の夜の…
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夏と言えば怪談やら幽霊やらと言って夢中になるのはどの国の奴でも同じで。だからという訳ではないが、今、インコの提案でホラー映画を見ている。
言っておくがホラー映画は別に嫌いじゃない。むしろ人間が恐怖し助かろうともがく様は結構好きだ、フィクションであることを除いては。


ソファーの右端からタクシー、俺、インコ、キンコの順で座り、暗くした部屋の中、ジュース片手にホラー映画を見るまでは良かった。


…しかし


『ぎゃああぁああ!!』
「ぎゃああぁああ!!」

その見ようと提案した本人のインコが画面の奴らと同調して悲鳴を上げ、怯えるもんだから困ったものだった。(己も化け物なはずなのに)

「アカンアカン!そっち行ったらまた…ぎゃあああぁああ!アカン言うたやろ、ボケぇ!!」

盛大に悲鳴と文句を言い、キンコにしがみつく。当のキンコは頼られているからか物凄く機嫌が良い。

「おい…怖いなら止めようぜ」
「だって結末気になるやん!」

ツッコむ気もなくなり、耳を塞いで映画を見る。怖いからじゃない、インコの声が五月蝿いんだよ。
タクシーが何か言って肩に手を回してきたが、全く聞こえないため、ミラーはすぐさま叩き落とす。

(早く終わんねぇかな…)

そう思い、ため息をつきながら、テレビを観ていたのだった。



 

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