その他

□マルジャン
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シガンシナ区ウォール・マリア付近。二日ほど前、この辺りで見慣れぬ知性のある巨人が確認され、現在調査兵団の2分隊が壁外調査を行っていた。
今回はあくまでその巨人が本当に知性のあるやつなのかを目視するだけだ。そのため手が出せない状況に苛立ちながらも分隊長を務めるジャンは、同じく分隊長のアルミンともに部隊を引き連れ馬に乗って周囲を捜索していた。

「知性のある巨人…ライナーやベルトルトの仲間か?」
「それは分からない…けど生体だけでも明らかなになればきっと彼らにも近づくよ…」
「キルシュタイン分隊長!四時の方向目測500mに通常種の群れを確認!」

一人の隊員にそう言われて一度小高い丘に上り周囲を見渡すと、確かに数十体大小様々な巨人が木々の間を歩んでいるのが見える。バラバラに動くそれらを視認したその時、エレンやアニら巨人化能力を持つ者が発現した状況と同じ閃光と爆発が目の前で起こり、爆風に思わず目を瞑った。

「ジャン!これは…!」

アルミンが叫ぶ。もし知性のある巨人がこの先に居て、それが巨人化能力者の巨人だとしたら。
アニの時の事が思い出される。人間に紛れられては追跡することは不可能に近い。人手が少なく不安だが、今ここで姿を確認かできれば捕獲をしなければ。
丘を降り、奇形種に見つからぬよう馬を走らせて爆発の中心地点に向かう。まだこの時点では、高い木々に阻まれて巨人の詳しい姿を捉えることが出来ない。
だが向かう先から咆哮が聞こえ、さきほどまでここに行動していた巨人たちがそちらへ一斉に顔を向けたかと思うと、引き寄せられるように走り出したのだ。

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