novel
□そばにいるから
1ページ/3ページ
「ぅ…ん……。」
覚醒し切らない意識の中、目を開く。
開いた所であまり視界は変わらなかった。
まだ、真夜中ではないか。
枕元の時計を確認してみても、丑三つ時と呼ぶのに相応しい時間帯だ。
ただただ眠くて、それに任せて再び眠りに入ろうかと思ったその時。
俺は違和感に気づいた。
何故か、冷たい…?
いや、濡れている…?
俺の頭は一気に覚醒する。
それと同時に、さぁっと血の気がひいた。
「くっ…うぅ…。」
それが何を意味するか分かった瞬間、流したくもない涙が瞳から溢れる。
何故…。
このようなこと、今までなかったというのに…っ。
早く、片付けなくては…。
そう理解しているのに、俺の体は動いてはくれなかった。