Strawberry mix
□想
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「何を話していたんですか?」
夕食の時間。食事中に今度は別の声がかかった。
言わずもがな、こんなことを一々訊いてくるのはあの人しかいない。
「観月さんには関係ないです」
「……静さん」
「言いませんから」
「……」
観月さんの知りたがりは今に始まったことじゃないけれど、近頃は行き過ぎてると思う。
私の行動一つ一つを監視されているようで……正直いい気分はしない。
尤も、観月さんをこうさせたのは、私なのだろうけれど。
「……あなたは少し、毒されすぎたようですね」
「……?」
「やはり、柊心愛を……あなたに近づけるべきではなかった」
「っ」
思わず観月さんを振り返った。
無表情の観月さんの瞳に、動揺している私の姿が映った。
祐太君の驚いた声が聴こえた。でも、なんて言ったかまでは分からなかった。
それだけ、今の私には余裕がなかった。
「なんで……そこで心愛がでてくるんですか」
「そんなこと、あなたが一番よく分かっている筈ですよ。静さん」
「……」
前々から、観月さんが心愛と仲良くすることにいい顔をしてないことくらい分かってた。
でも、それは酷く身勝手なもので、反抗もどこかでしてた。
でも、だからって――
「私は観月さんの玩具じゃないですっ!!!」
初めて声を荒げた私に、驚きのあまり静寂が訪れた。
観月さんも、まさか私が怒鳴るだなんて予想外のようで……目を見開いていた。
居たたまれなくなった私を弾きだしたのは、祐太君の私を呼ぶ……戸惑った声で。
気が付けば私は食堂を飛び出していた。