Strawberry mix

□運命は回る
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「……なんだコレ?」



霞が呟いた言葉に、他のメンバーも共感した。





「立海大付属中学校、テニス部の皆様でいらっしゃいますね?」


「あ…まぁ、そうですけど…」



きっちりと燕尾服を着こなし、優しげな微笑みを湛える20代半ばであろう美青年に、霞はしどろもどろになりながらも答える。





「我々は柊家の使用人です。心愛お嬢様から皆様を合宿場までお送りするよう仰せつかっております」


「柊…?」


「そのことについては中でお話致します。どうぞ、お乗りください」



スマートにリムジンを開け、中へと招く。
馴染みのない高級車に恐縮しながらもメンバーは乗り込んだ。







「うっわ、広ぇなっ!」


「丸井先輩ー! これ、座り心地サイコーッスよ!」


「赤也! 落ち着かんかっ!!」


「す、すんませんでしたっ!」



いつも通りの風景に場が和む。
切原は幸村の件があるため、いつも以上に過剰に反応している。
ビクビクする様子は見ていて可哀想なくらいだが、霞にはそれがまた面白かったのは内緒だ。





「お飲み物とお茶菓子をご用意致しました。どうぞ、お召し上がり下さい」


「うおっ! 美味そう!」


「やめろ丸井。せっかく減量した努力が水の泡だぞ」


「問題ねーよぃ、また運動っスから! ジャッカルが」


「俺かよっ!? って、俺が減量しても意味――」


「んじゃ、いっただき――」


「馬鹿者っ!! それより先に言うことがあるだろう!!」


「ついでに俺の話も聞けよっ!」


「……仁王」


「ピヨ」



丸井や切原はお菓子に目を輝かせ、丸井が早速食べようとする所だったのを真田が叱っている(ジャッカルはスルーされているが…)。
その隙に仁王がつまみ食いしたのを柳のみが目撃したとかしてないとか。





「すみません。お気を遣わせて…」


「いえ、これもお嬢様の命ですのでお気になさらず」



代表で柳生がお礼を言えば、再び出てきたお嬢様の存在に一同は顔を見合わせた。
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