Strawberry mix
□プロローグ
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「ふーん…合宿、ねぇ?」
霞は顧問から受け取った書類を見て面倒くさげ呟いた。
「だが、主催は氷帝だ。少なくとも全国レベルのデータは得られる」
「まぁ、そうだけど……幸村がなんて言うか…」
その瞬間、タイミングを見計らったように霞の携帯が鳴った。
「ん?……幸村じゃん、もしもーし」
『やぁ、霞。何か聞きたいことがあるみたいだね』
「何で分かったんだよ! お前は超能力者か!?」
『ふふっ、実はさっき俺のところに跡部から連絡が入ってね、合宿の事を教えて貰ったのさ』
「……なるほど」
『で、勿論行くよね』
「……はい?」
疑問符の付いていない疑問文に霞は思わず口角を引きつらせた。
『せっかく誘われたっていうのに、行かなかったら逃げたと思われるだろ? それこそ、常勝立海大の看板に泥を塗ることになる』
「いや、まぁ…そうかもしんないけど…」
『大体、跡部もいきなりだと思わない? こっちの都合も考えずにさ……チッ、これだから俺様は』
「おい、幸村いま舌打ちしただろ。てか、お前それが気にくわなかっただけだろ」
『何だ、分かってるじゃないか。だったら、とっとと返事だしなよ』
「はいはい」
『ああ、それと……俺も外出許可貰えるみたいだから顔を出すよ。そのとき無様な姿を見せたら……フフッ、分かってるよね?』
「勿論だ」
『なら良かった。苦労をかける……期待しているよ』
そう言って電話を終えた瞬間、霞は冷や汗をかきながら真田と柳に向き合った。
「よし、丸井に死ぬ気で減量させよう! それから仁王も真面目に練習させて、赤也には礼儀を叩き込むぞ!!」
「ああ、赤也の礼儀作法については弦一郎…お前に頼む。他は嫌でも努力するだろう」
「む。俺はかまわん。ビシバシ鍛えてやる」
「いいか、何が何でも勝つぞ! 常勝立海大の名にかけてっ!!」
主旨が若干ずれているが――立海大付属中学校合宿参加