Strawberry mix

□個性派揃い
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「で、だ。この合宿の目的は各々の能力向上……というのは建前で。全国大会のいわば打ち上げだ!」



ビッシと決めポーズまで決めた跡部だが、周りは唖然としている。





「ねえねえ、つまり景ちゃんは寂しくて皆呼んじゃったの?」


「そういうことじゃねぇ? 何だかんだいって寂しがりやだし……」


「かまってちゃんだし……」


「おい、お前ら聞こえてるぞ」



ボソボソと二人で話していた向日と夏希にマイク越しに跡部の怒りが伝わった。
とてつもなく煩い。





「跡部。先に進もう。これでは終わりが見えない」


「……それもそうだな。おい、各校のマネージャーはステージに上がれ!」



手塚の催促に次に進んだはいいが、突然の指名にマネージャーは各々反応をする。






「う〜…ひ、人前…」


「頑張るにゃ。俺たちも応援してるにゃ〜」


「で、でも…」


「クス、瑠璃。マネージャーってことはあの可愛い子たちを近くで見られるチャンスじゃないかな?」


「よし、急いで行ってきますっ!」


「速っ!」


「クス…本当に単純だね」


「にゃっ…不二が黒いにゃ…」


「何か言った? 英二」


「べ、べつに何でもないにゃ〜」


「クス、そういうことにしておくよ」



嫌がっていても、可愛い女の子に会うために駆け出して行く者だったり……






「はぁ…めんどくさ」


「何だ五百蔵。面倒くさいとは! 立海生としてあるまじき――」


「はいはい。とりあえず行って来るわ」


「む。まだ話は――」


「弦一郎、その辺にしておけ。このままでは皆を待たせることになる」


「……それもそうだな」


「(助かった…ナイス蓮二)」



尚更面倒なことになりかけたり……






「駄目です。静さんはここにいてください!」


「……でも、私も一応マネージャー…」


「ルドルフのマネージャーとして代表で僕が行きます」


「……めちゃくちゃです」


「んふっ、静さんを毒牙から守るためです」


「……」



足止めにあったり……






「なんで…こんなことに…」


「楽しそうじゃん! 行ってみよーよ」


「……嫌な予感がする」


「あははっ、心愛たんの勘は良くあたるよねぇ〜」


「……亮。助けて」


「悪ぃ、心愛。がんばれ」


「……若」


「無理だ」


「……」


「……そんな顔をしても…駄目…だ」


「若…」


「……来る…か?」


「…う――」


「はいはーい! 満面の笑顔で悪いけど、心愛たんは夏希とこっちに行こうね〜」


「い…いやぁぁあああっ」


「全く、日吉も心愛ちゃんには甘いんだから」


「……煩い」



いやいや言いながら引きずられる可憐な少女を誰もが気の毒に思うが、引きずっている張本人もまた可愛らしい少女の為に、周りは微妙な空気になった。
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