Strawberry mix

□ガラスの仮面
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「けーご! 喉乾いた〜」



ニコニコと天使のような無邪気な笑みを浮かべてそう言った心愛は、出会った当初のまま、穢れない無垢な赤子のように見えた。
が、それも錯覚でしかない。あの頃の心愛がいる筈がないんだ。俺がそうさせてしまったのだから。そう自己完結して俺様はいつもを形作った。





「アーン? お前の分のドリンクはどうした」


「えへへ…作るの忘れちゃった」


「ったく、おい樺――」


「待って!」



樺地を呼ぼうとすれば、制止される。改めて心愛を見れば、一瞬悲しげな瞳が合間見えたがそれもほんの一瞬。俺様の眼力じゃなければ見抜けなかっただろう。







「けーごのちょーだい」



そう愛らしい笑顔で言った心愛に俺様は――







「……仕方ねーな」



その場しのぎの愛情を与えてやることしかできなかった。










「…………」



譬、その裏で俺様の想っている奴が傷ついたとしても――








「熱中症には気をつけろよ」


「うん!」



俺様は心愛を優先するだろう。










「ひっく…くっ……ふっ……」



心愛から沢山のものを奪ったのだから。それは当たり前のことなんだ。
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