novel

□sixth
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-山田視点-



要さんの一件から1週間近く経った。

僕には気になることがあった。

それはきっとみんな思っていて。

明らかに奇妙だ。


「何があったか知らねェけど、ここまで来ると…心配、だよなァ」

「そうですね…まぁ死んではいないと思いますが」

「まぁね、死ねないもんねー!あ、後で解剖する予定ある?ルーカス」

「ったく私情を挟むなって、アルヴァンス」

「んー…Jは何か心当たりあるの?」

「特にはないが…オカシイことは確かだな」


そして何故か話題の人物以外の保留荘の住人が僕の部屋に集結している。

あぁ、ロクなことが起こらない。


「おい山田ァ、ちょっと見てこい」

「えっ僕がですか!?」


突然の要さんの言葉に動揺。

こういうことはいつも僕の役割な気が…。


「…わかりましたよ」


項垂れつつ答えると、アンドリューさんの声が飛んできた。


「なんかあったら近所迷惑な音でも出せよ?」

「それ、管理人さんのセリフですか?」


心配してくれるのはありがたいけども。

僕は、要さんとラゴニーさんの戦闘らしきものを目にしたことがある。
もし、あの時と同じ状況に陥ったら…?

そこにあるのは、




僕では敵わないという事実だけ。




死にたくないわけじゃない。
というか死ねないし。

一見すると無敵そうな要さんは、実は体が弱い。
悩みなさそうなラゴニーさんは、実際のところ精神安定剤を処方されてる。

『人は見かけに寄らない』

この言葉を頷かずにはいられない。
誰かが変わって行くことに抵抗を感じるのは、当然のこと。




だけど、






黙って見ているわけにもいかないことだってある。









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