ライラット恋物語

□新メンバー加入!
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此処はライラット系の辺境に位置する、
ならず者の溜まり場サルガッソー。
そこへ1機のウルフェンが正面ゲートを
潜り、コロニー内に入って来た。
すると作業の手を止めた下っ端の猿達が
操縦席から降りて来た人物を出迎える。

猿達「御嬢、御帰りなさいやせ!」

猿達から『御嬢』と呼ばれている彼女の
名は、彩花・オドネル。
泣く子も黙るスターウルフのリーダー、
ウルフ・オドネルの一人娘だ。
幼い少女のような顔と背丈をしているが
その身体は女性として、立派に成長して
いる。
純粋で明るくて元気一杯な彼女の性格は
ならず者とは凡そ真逆に感じられるが、
戦闘で見せる情け容赦無い攻撃は父親の
ウルフを彷彿とさせる。
そして他人の実力や長所を分け隔て無く
褒める為、猿達からの人気も高いのだ。

1「ただいま……ん? このウルフェン
どないしたん?
赤い薔薇のステッカー貼ってあるけど、
誰かの悪戯?」

「い、いえ! 親分達のチームに新しい
メンバーが加入するらしくて…
今、コモンルームにいらっしゃるかと」

1「何やそれ? 新入り来るとか、ウチ
全く聞いてへんで!?
教えてくれて有り難う!」

驚き3割、楽しみ7割でエレベーターに
乗り最上階へ向かう彩花。
コロニーの最上階はスターウルフの居住
スペースになっており、猿達も安易には
入って来ない。

1「パパ、ただいま!」

ウ「おう」

ソファーに寝そべって返事を返したのは
彼女の父であるスターウルフのリーダー
ウルフ・オドネル。
容姿も性格も根っからの悪党だが、その
カリスマ性と男気溢れる親分肌な一面に
惹かれて付いて来る者も多い。
二人に血の繋がりは無く、彩花は亡き妻
ミーシャの連れ子だ。
しかしウルフも彩花も唯一の家族として
互いを大切に思っている。
その絆は本物の親子以上だろう。

1「猿ちゃん等から聞いたんやけど…
新メンバー来てるって、本真なん?」

ウ「あ? 言ってなかったか?」

1「今日、初めて聞いたわ。
…で、その人は何処に居んの?」

パ「俺を呼んだかい? 子猫ちゃん」

スッと横から赤い薔薇を差し出して来た
黒豹の男。
彼が新入りのパンサー・カルロッソだ。
紳士的な性格で女性からの人気は高いが
その実、女誑しなので女付き合いは広く
浅い。
平たく言うと、いつか刺されるタイプの
男である。

パ「君が彩花だね、噂通り愛らしい…
私はパンサー・カルロッソ…御近付きの
印に、この赤い薔薇をどうぞ」

1「ど、どうも…(引」

ウ「おい新入り、悪い事ァ言わねェから
そいつ口説くのだけは辞めとけ死ぬぞ」

パ「心配には及ばないぜ、旦那。
入って数日で、リーダーの可愛い愛娘に
手を出したりなんてしないさ」

ウ「そういう問題じゃねェ。
俺が心配してんのは、お前の命だよ」

パ「…?」
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