黄昏の鎮魂歌

□認定試験
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ヒーロー認定試験当日、サイタマ達とは
別の場所で彩花は体力テストを受けた。
男女別とはいえ試験内容は同じ、大半の
受験者が試験を受けずに会場を去った。
訓練兵として過ごした3年間、休む暇も
無く積み重ねた訓練で培った筋力・体力
そして精神力。
壁の外では全く無意味だったがヒーロー
認定試験の体力テストでは、それが良い
踏み台となった。
男顔負けの身体能力が高く評価されて、
全てのテストが終了しても他の受験者と
違いピンピンしていた。
試験終了から1週間後、試験結果を受け
取る為サイタマ達は再び会場へ赴いた。
ジェノスは100点満点のS級、彩花も
彼に続いて茶封筒を開けた。

1「S級って1番上でしょ?
良かったね、ジェノス」

ジェ「ああ、これで弟子としてサイタマ
先生に認めて頂けるだろう」

1「…で、肝心のサイタマ先生の結果は
どうだったの?」

ジェ「先生もS級だった。
当然の結果だな」

1「僕は、まあ御金が貰えれば何級でも
気にしないかな」

サ「……」

ジェ「…先生?」

1「どうしたの、S級だったのに嬉しく
ないの?」

サ「……ああ、だって…
まあ71点のC級だしな、俺(遠い目」

ジェ「…!! そうか、さっきのはCの
字の上半分…!
Sと見間違えたという事か!」

サ「分析すんじゃねェよ!(怒」

ジェ「何かの間違いでしょう。
俺が責任者に、直訴して来ます!」

サ「御免、辞めて!
俺が恥ずかしいから!(汗」

ジェ「彩花は、どうだったんだ?」

1「まだ見てないよ。
……あ、僕もC級になってる」

ジェ「矢張り直訴して来ます!」

サ「Σだから辞めろって!!
恥ずかしいから!」

第3ホールで、合格者セミナーを受ける
サイタマ達。
しかし、その態度は酷い物だった。
サイタマはだらしなく椅子に座り、風船
ガムをクチャクチャと噛んでいる。
彩花は話が長い為か、先程から眠そうに
船を漕いでいる。
そしてジェノスは腕を組んだまま黙って
いるが、決して真面目に話を聞いている
訳ではない。

パァンッ!!

サ「Σぶっ」

ホール内に響き渡る破裂音、膨らませて
いた風船ガムが割れてサイタマの顔面に
貼り付いた。

1「…?」

ジェ「…!? 先生!」

ス「ん゙ん゙ん…!
A級ヒーローにもなると、多少は協会に
幅が利くんだ。
不心得者はいつでも、減点してランクを
下げてやる! 覚えておけ!!」

サ「(晩飯、何にしよっかな…)
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