黄昏の鎮魂歌

□ライバル(自称)
1ページ/1ページ

早朝からのパトロールも一通り終わった
午後3時半、偶然サイタマの家の近くを
通った彩花はフローラに跨ったまま折れ
曲がった電柱に立つ人影を怪訝な表情で
見詰めている。
忍者のような格好をした黒髪の男が刀に
手を掛け、サイタマの部屋を真剣な顔で
睨み付けているのだ。
見るからに怪しいので、彼女は意を決し
声を掛けてみる事にした。

1「ねえ君、そんな所で何してるの?」

ソ「…!! 誰だ貴様!
いつから俺の後ろに居た!?」

1「さっきから居たよ。
…で、君は何してるの?」

フローラから降りて問い掛けると、男は
微かに目を見開いた。

ソ「この俺が気付かないとは…!
貴様、中々やるな」

1「(あ、駄目だ。
この人は話を聞かないタイプの人だ)


忍者、音速のソニックは目にも留まらぬ
スピードで彩花の目の前へ移動して刀の
刃先を向けた。

ソ「だが、俺のプライドが貴様の存在を
許さない!
この俺が背後を取られるなど、あっては
ならない事なのだ。
貴様が何処の何者であろうと、逃がしは
しない!」

1「悪いけど、君のプライドの事なんて
知ったこっちゃないんだ」

刀を握っているソニックの手首を掴んで
前から首、後ろから足を引っ掛けて彼の
身体を強制的に後ろへ傾ける。

1「退いてくれるかい?」

ドンッ!

ソニックの身体は見事に引っ繰り返り、
後頭部を強打し目を回して気絶した。
倒れた彼を道の端に放置し、フローラを
待機させサイタマの家に入って行った。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ