愛と欲望の地球侵略

□狙われた家宝
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ある日の事、冬樹は桃華の父である西澤
梅雄から今度オープンする西澤美術館の
警備を依頼された。
理由は梅雄の元に届いた1枚の予告状。
それには、こう綴られていた。

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
西澤美術館開館前夜の
零時丁度にヴィーナスの降臨を
頂戴しに参上

怪盗
More Peach Summer Star
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

ケロロ・タママ・ギロロも警備に加わり
厳戒態勢の中、美術館上空に四つの影。
ハンググライダーとパラシュートを使い
屋上へ降り立ったのは桃色・紫色・橙色
黄色のレオタードを着た四人の少女達。

?「覚悟は良いですね?
引き返すなら今の内です」

?「何言ってるのよ。
此処まで来たらやるだけよ」

?「私達なら出来るよ、頑張ろ!」

?「っていうか、不言実行?」

ヘルメットを空へと脱ぎ捨てた少女達の
正体は夏美・桃華・モア・彩花。
事の始まりは、1週間前に掛かって来た
1本の電話。
夏美から『力を貸して欲しい』と言われ
詳しく話を聞くと、ある事情から絵画を
展示されたくない桃華は夏美達に相談。
話し合いの結果、開館前夜の零時丁度に
盗み出す事を計画したらしい。

1「良いよ、私も協力する!」

夏美《それと、もう一つ頼みたい事が…
クルルにメカの開発を頼んで欲しいの》

1「クルル君に?」

夏美《報酬とか色々用意したんだけど、
あいつ私達が相手だと絶対に足下を見て
来ると思うの。
一緒に行くから、御願いっ》

1「うん、分かった!」

そして、クルルズラボを訪ねた四人。
クルルにセキュリティーシステム突破に
役立つメカの開発を依頼するが、夏美の
予想通り彼は渋った。

クルル「…確かに俺様の手に掛かりゃ、
すぐに出来るぜェ。
けどよォ、それに協力して俺にメリット
あんのかァ?
タダ働きは御免だぜェ。
……と言いてェ所だが、お前には貸しが
あるからな。
特別に引き受けてやるよ」

N〘嗚呼、自販機作戦の時ですね〙

1「…!! 本当!?」

クルル「任せなァ、やるからには半端な
物は作らねェ。
その代わり口止め料は別…」

桃華「ほんの詰まらない物ですが…」

夏美とモアが、アタッシュケースを開き
その中身を見せる。

パカッ

クルル「…!!」

N〘世界有数のシェフ達が厳選した世界
各国のカレールー全種(非売品)〙

桃華「西澤家御抱えのシェフ達の中でも
選りすぐりの数名が審査に審査を重ね、
素材から選び抜いた他では手に入らない
品物です」

クルル「ク〜ックックックッ♪
上出来だァ、乗ったぜェ」

そして時は戻り、開館前夜。
彩花が出したのは黄色い渦巻きマークと
それを囲むように五つの白い小さな星が
描かれた青くて丸いコンパクトのような
形の携帯電話。

夏美「それが?」

1「うんっ! クルル君に作って貰った
スパイグッズ、ST−966!
名付けて、『スターフォン』☆
自動でハッキングもしてくれるんだよ」

スターフォンの上部を取り外して、前の
扉にくっ付ける。
コードで繋がれた下部には12個の白い
プッシュボタン。
分析する音がカタカタと暫く続いた後、
カチッという音と共に扉が開いた。

夏美「流石クルルの発明ね」

1「『ケロンの科学力は宇宙一だ』って
言ってたよ、凄いよね」

モア「っていうか、侵入成功?」

スターフォンの上部を回収して、四人は
館内へ侵入する ───
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