愛と欲望の地球侵略

□奥東京市食い逃げ事件
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野村を先に帰らせた零は冬樹に同行して
別の場所で調査をしていた、タママ達と
合流する。

タママ「あれ? どうして零パパさんが
ふっきーと一緒に?」

零「俺も仕事でな……この事件を調べて
いるんだ。
冬樹から事情を聞いて、折角だから協力
させて貰おうと思った次第だ」

ドロロ「零殿の御仕事?」

冬樹「零さんは本物の刑事なんだ」

ドロロ「それは心強いで御座る!」

零「とは言え…宇宙の犯罪は専門外だ、
そこまで期待はしないでくれよ。
…んじゃ、まず皆が集めた情報を教えて
くれないか?」

タママ「え〜っと…奴はケーキ屋さんを
襲ってますから、甘い物好きですぅ」

ギロロ「青果店にも現れたようだ。
野菜好き、所謂ベジタリアンだな」

ドロロ「寿司屋の商品を食べ尽くして、
逃走した模様。
姿が見えなかったのは、アンチバリアを
使った犯行だと推察しているで御座る」

クルル「不味いラーメン屋も、やられた
らしいぜェ。
奴さん、かなりの味音痴だなァ」

零「詰まり、胃袋は底無しで食べ物なら
何でも食うのか……暴食の極みだな。
…あ〜、アンチバリアって何だ?」

ギロロ「俺達の存在を悟られぬよう姿を
消せる機能で宇宙人なら全員持ってる。
お前達に見えているのは俺達が調節して
見えるようにしているからだ」

零「…嗚呼、透明マ○ト的な感じだな。
他に何か、手掛かりになりそうな物とか
無かったか? 足跡とか、持ち物とか」

冬樹「犯人の物か分かりませんけど…
被害に遭ったドーナツ屋で、こんな物を
拾いました」

冬樹が取り出したのはプラスチック製の
黄色くて太い謎のリング。

クルル「クックックッ…
俺も同じ物持ってるぜェ、ほらよ」

零「玩具の指輪にしては悪趣味だな。
若干、大きさも違う……何かの部品か?
他の現場にも落ちてる可能性があるな、
確認しに行こう。
まずは、タママが行ったケーキ屋だ」

タママ「はいですぅ!」

再びケーキ屋へ足を運び、店内を隈無く
捜索する。
すると同じ素材と形状のリングを発見、
回収してビニール袋に入れた。

零「ビンゴだな、このまま行くぞ。
次は青果店だ」

ギロロ「お、おうっ」

その足で青果店へ赴き陳列棚を調べると
矢張り同じ物が落ちていた。
零は別のビニール袋を取り出し、それも
回収する。

零「よし、次の場所で最後だな。
頼んだぞ、ドロロ」

ドロロ「合点、承知の助で御座る」

ドロロが調査した寿司屋に行き、店内を
捜索すると此処にも同じリングが落ちて
おり袋に入れて回収した。

零「…さて、結構集まったが何の部品か
さっぱり分からん。
素材から察するに玩具だろうが…
冬樹、心当たり無いか?」

冬樹「う〜ん…何と無く思い当たる物は
あるんですけど、数が足りないんです」

ギロロ「他の現場を探さねばならん、と
いう事か…」

タママ「時間掛かっちゃうですぅ」

零「それなら任せろ。
被害に遭ったコンビニを知っている」

冬樹「…!! 本当ですか!?」

零「ああ、事情聴取の為に行った店舗で
被害届も出ている。
こっちだ、案内しよう」

零の案内で、303号の被害に遭ったで
あろうコンビニに来店。
店内へ入ると食料品や菓子類などの棚は
全て空になっている。

ギロロ「やりたい放題だな。
303号の奴…」

冬樹「あっ! 此処にも落ちてる」

そこには他の犯行現場と同様に、黄色い
リングが落ちていた。

零「…で、これをどうするんだ?」

冬樹「この輪っかを、大きい物から順に
繋げて組み立てるんです。
僕の予想が正しければ……出来たっ!」

そうして出来上がったのは少し曲がった
細長い尻尾のような物。
恐らく、何かの一部なのだろう。

冬樹「皆、これに見覚え無い?」

ギロロ「…? さっぱり分からん」

ドロロ「せ、拙者も同じく(汗」

タママ「……Σあーっ!!」

クルル「クックッ、成る程なァ」

ギロロ「何が成る程なんだ!?
あれは何だ!? 教えろ!」

冬樹「伍長、後で説明するよ。
兎に角、事務所へ戻ろう」
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