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□美学的心理に反するが
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「はるちゃーん!まこちゃーん!」
僕の恋人は誰にでも人懐こい。
今目の前でもまさに真琴先輩に抱きついている。
遥先輩に睨まれてますが……
「れいちゃーん!」
ぎゅっと抱きついてくるのが僕だけになら。とか、その笑顔は可愛いのだが僕にだけ向けてほしいなど、美に反する気持ちを抱いてしまう。
「渚くん!ここが学校だという事を理解してますか?あと渚くんは僕の恋人なんじゃないんですか!」
「分かってるよ?どうしたの?玲ちゃん。」
小首を傾げてハテナを浮かべる彼が可愛くて惚けてしまった僕は、何でもないと彼に背を向け顔を隠した。
「玲ちゃん、顔赤いよ!大丈夫?」
「大丈夫です!」
自分の見にくい気持ちを隠すよう平然を装う。
「玲ちゃん!」
「何ですか?」
彼がいきなり僕の手を握り、
「大好きだよ!玲ちゃん!」
と満面の笑みでまっすぐ僕を見る。
「ぼ、僕もです!」
と手を握り返すと
「えへへ!しってるよ!」
と顔を赤らめる。
こんな可愛い君になら、美学的心理に反しても構わない。

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