テニスの王子様《短編》
□赤鬼
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「おーい赤也ー!
倉庫から、テープとスプレーの予備持ってきて!」
「何で俺なんだよ!」
「おめぇ今の今まで準備サボってただろーが!
つべこべ言わずに取ってこいや!」
教室に戻った俺を待っていたのは、準備の嵐だった。
つーか、俺にみんな厳しくね?
準備サボってたの、やっぱバレてたのかよ……ちぇっ。
しゃーねぇなぁ。
テープと……なんだっけ?スプレー……?の予備?
あーわっかんねぇけど、さっと取ってくりゃいーんだろ?
倉庫に向かって、ダラダラと歩く。
「教室から倉庫って、何気に遠いんだよなー」
なんてボヤきながら、倉庫についた。
「………?」
誰だ?
倉庫に誰かいる……。
こんな、薄暗くて狭くて埃っぽいとこで、何か話す事でもあんのかよ?
『頼む!』
「……え、あ、あのっ!」
うおっ⁉
この声、紗羅先輩じゃん!
もう一人は……オトコ……?
何やってんだよ、こんな薄暗いとこで2人きりで……。
『ずっと前から紗羅の事好きだったんだよ!
……ずっと、見てたんだ!
俺と……付き合ってほしい!』
…………は?