テニスの王子様《短編》
□プリンに毒なんて入れたっけ?
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「丸井……ブン太先輩……?」
半信半疑で、口にする。
整った顔たちに、いつも噛んでいるグリーンアップル味のガムが特徴的な、立海が誇るテニス部の正レギュラー。
うん、一つ年上の丸井先輩に間違いない。
「おっ!
俺の事知ってるのかよ?」
「テニス部で有名ですからね」
家庭科室で騒いでいる女子たちのお陰で、興味がなくてもテニス部の人たちに詳しくなった。
「ふーん……。
つーかいい匂いすんなー。
……プリン?これ?」
目をキラキラさせてる丸井先輩を見たら……
「……食べます?」
この一言を言わざるを得ない……。
「まじ?貰ってもいいのかよ?」
「ふふ、どうぞ!
口に合えばいいんですけど……」
スプーンを先輩に手渡すと、早速プリンを口にしてしまっていた。
「おっ!上手い!
お前天才的だろい!」
そ、そこまで……?
屈託のない笑顔の丸井先輩を見てたら、他の女子が騒ぐのも分かるなーって思った。
整った顔たちでカッコいいのに、なんだか無邪気で可愛らしい。
「さっきまで教室でミーティングだったからよー。
俺はラケット握って練習したいんだよ。
ってなわけでストレス溜まっててさー」
プリンをもくもくと頬張りながら、愚痴をこぼしている。
「テニス、好きなんですね」