テニスの王子様《短編》
□駄目なものは駄目
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あたしの目の前に山のように置かれたモノ
生クリームたっぷりのケーキ
艶やかに光るチョコレート
ポップでカラフルなたくさんのキャンディー
バターの香ばしい匂いがするクッキー
お皿に盛られた油まみれのスナック菓子
「……………赤也あんた………
あたしのダイエットに協力する気ないでしょ…………」
【駄目なものは駄目】
事の発端は、3日前の夜だった。
お風呂に入る前、たまたま目に付いた体重計に何気なーくに乗ってみた。
「………………はぁぁぁっ!?」
デジタルの体重計が表示する、直面するのも恐ろしい数字。
夜だっていうのに、絶叫に近い叫びをあげてしまった。
いやいやだって何コレおかしいでしょ!?!?
前に体重測った時より……よ、4キロも増えてるんですけど!!
……そう言えば、最近彼氏の赤也が
「紗羅、最近よく食うね」
って言ってたけども!
確かに最近の自分の食生活を振り返ってみても、明らかに食べ過ぎだった。
恨めしい気持ちで体重計を睨んだって、デジタルの表示が変化する事はない。
…………………………………。
「ダイエット……しよっかな」