テニスの王子様《短編》
□年下男子はお嫌いですか?
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「んー……とね、ここの活動はもーちょっと減らしてもいいんじゃないかな」
滑らかな髪の毛を耳にかけながら、紗羅先輩は俺に視線を向けた。
「その活動まで削っちゃったらもう委員会の意味ないですよ?」
「そもそも文化活動委員って何?って感じじゃん?
長太郎は必要ないと思わない?」
「要するに紗羅先輩は仕事したくないんですね……はぁ」
全く、この先輩は相変わらずなんだから。
俺はわざとらしく溜め息を吐いた。
ーーまぁそーゆーとこ、可愛いんですけどね。
文化活動委員で出会った一つ年上の紗羅先輩は、委員長だと言うのに呆れるほど面倒臭がりだ。
仕事の効率は悪いし、取り組み姿勢も真面目とは言い難い。
とてもじゃないけど見ていられないと感じた俺が、気まぐれで仕事を手伝ったのが始まりだった。
それ以来、何かと『長太郎長太郎』なんて言って頼ってくる。
……でも俺だって下心くらいあるから仕事を手伝ってるんですよ?
それは、一目惚れだった。
綺麗でサラサラな髪の毛をなびかせる美人な貴方に、俺は一目惚れしたんです。
「んー、と……
今後の活動計画、生徒会室に提出して来てもいいかな?」
「それ、跡部さんに出す勇気あるんですか?」
こんなお粗末な内容じゃ、鼻で笑われて突っ返されるのが目に見えているじゃないか。
「あ!今笑ったでしょ長太郎!
もー私じゃ考えれないから、こうして放課後一緒に考えるの頼んだんだよ?」
「紗羅先輩1人じゃ考えれそうもないから、こうして部活の時間割いて放課後一緒に考えるの頼まれたんですよ?」
「むぅ………っ!」
紗羅先輩は、頬をぷうっと膨らまして拗ねてしまった。
紗羅先輩。
その顔、反則ですよ。
もっとイジめたくなっちゃいます。