鳳凰の夢小説です!

□ミステリープロフィット
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コンクリートがとても冷たい。
........あぁ、なんでこんなことになってしまったんだろう。
視界は暗く何も見えない。
今は21時55分頃だろう。
−ははッ、俺......死ぬんだ。
そう思いながら心の中で笑う。
本当は死ぬ前に大きな声をあげて
笑いたかったが口も指先も動かせなかったのでそれで我慢した。
.......いや、あともうひとつ、
死ぬ前に大事な幼馴染みの顔を拝みたかったな...と、全力で後悔する。

なんでこうなったのかは
下校前まで遡る。



「...南月?」
ポカンとしていたらいきなり幼馴染みが隣に出現して、心配そうな顔で
見つめてくる。
「....大丈夫ですか?」
「お...おう。」
首をコクコクと上下に振りながら返事すると織姫がクスクスと笑いながら
「変な南月!」と言ってきたので
そうだなっ!と明るく振る舞いながら
笑いあった。

「とりあえず帰るか」
「はいっ!」
とびきりの笑顔で織姫は返事をし、
俺の腕をとり、腕を絡ませてきた。
「お...おまっ!?なにやってんだ!?」
「腕を組んでるだけですけど?」
...いや、そんな問題じゃないんだよ織姫さん...君が腕を組むと..
そのぉ〜..ね?
柔らかいふにゃっとしたものが俺の腕に当たっているんだよ?

ーとは言える勇気は無いので、自分でもわかるぐらいに頬を赤くしながら歩く。
歩く度に変な感触が腕に当たる。

ーうおおぉぉっ!?
ーあおぅえぉぉぃ!?
心の中で変な声をあげながら、着々と家まで歩いてく。
幸いなことに家まで結構近いので、
この気持ちいーーではなく変な感触を味わうのは5分ぐらいだろう。

「ー南月!」
急に織姫が腕を放す。

ほっとしている自分もいるのだが、
もう少しあの感触を味わいたいという
自分もいたことは織姫には、ばれないようにしなくてはっ!
「私はちょっと用事があるのでここでお別れです。」
「そうなのか?」
ええ..と言いながらくるりと背を向ける。
「気をつけろよ!」
「わかってますよ!子供じゃあるまいし...」
子供扱いしたのが不快だったようで、織姫は口をとがらしながら石ころを
蹴る。
「...今日は焼き肉だから早く帰ってこいよ?」
「本当ですかっ!?」
焼き肉と聞いた瞬間に食いついた。
さすが肉食系女子。

「ーでは私もいいことを教えてあげましょう。」
ニコッと可愛らしく笑う。その笑みはとても魅力的で目が釘付けになった。
「南月........」
ごくっ..と唾を飲む。


「私の胸の感触を楽しむのはいいですけど、意識しすぎですよ?」
......前言撤回しよう。
さっきの笑みは悪魔の笑みだった。
あはっ!と口元に手を当てて笑いやがる。
「てんめぇぇぇぇっ!」
「それじゃあ、またぁぁぁっ!!!」
すごい速さで織姫は走ってどっかへ行ってしまった。
俺はふぅとため息をつき、自宅へ向かった。
こんな毎日がずっと続いて欲しいなぁ〜と思いながら......。
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