読み物2

□始まりの始まり
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始まりの始まり



はじめに あったのは こんとんの うねり だけだった
すべてが まざりあい ちゅうしんに たまごが あらわれた
こぼれおちた たまごより さいしょの ものが うまれでた
さいしょの ものは ふたつの ぶんしんを つくった
じかんが まわりはじめた くうかんが ひろがりはじめた
さらに じぶんの からだから みっつの いのちを うみだした
ふたつの ぶんしんが いのると もの というものが うまれ
みっつの いのちが いのると こころ というものが うまれた
せかいが つくりだされたので さいしょのものは ねむりについた
                       シンオウ神話 「はじまりのはなし」


最初に生まれたもの、創世神アルセウスは、自身の分身達に世界の監視を任せていた。だが任せているだけで寝ているわけではないらしく、神と呼ばれるポケモン達から定期的な報告みたいな物は受けていた。それが、世界を生み出した者の務めであると。
今日の報告者は、シンオウ心の三神の一人・アグノム。意思の神と呼ばれるポケモンである。

『やはり、無くならぬのか。』
『アルセウス、限界かもしれない。僕たちが見つけられる抑止力はもう探しきったよ。』
『世界という物はどこでも同じ。自分の欲にかまけて共存の意思を忘れる者は無くならない。なんとも嘆かわしい。』

彼らの言う抑止力とは、ポケモンとの共存が出来ない者に対しての対抗戦力である。ロケット団を始め、ポケモンを道具のようにしか扱わない人間が後を絶たない。そこで、そんなヤツらを完膚無きまでに叩きのめせる人材を探しているのだ。腕も頭も心も良い最強のトレーナーを。
しかし、そんなハイスペック人材がそうそう居るわけもなく、居たとしても圧倒的に少ない。抑止力としては規模が小さいのだ。

『…そうだ。』
『なに?アルセウス。』
『この世界にいないのなら、いっそのこと別の世界で探せばいいのではないか?』
『異世界ってこと?』
『そう、異世界だ。我ら神と呼ばれし者たちで、異世界に居る抑止力を探すのだ。実力と地位を確固たるものとし、トレーナーの頂点に立つ可能性を秘めた者たちを。』
『しかし、そんなに上手くいくかな?異世界だからこそ受け入れてもらえないことも有り得るでしょう?』
『なに、駄目だった場合はユクシーに助力してもらおう。どのみち打つ手は無いのだ。探してみるだけ良いだろう?』
『まぁ、それもそうだね。じゃあ、みんなに伝えてくるよ。』
『頼むぞ。良い報告を待っている。』

この世界が駄目なら他の世界で。ポケモン世界を変えてくれるほどの存在を。


『さて、まずはどの世界から見ていくかの。』


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