DB短編2

□望まぬ最強〜最終章〜
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『じゃあ、私先に帰るよ。』

「はい!」


リーナにビルス達へ挨拶を頼み、名無しさんは飛んでいった。


「さて…と…いらっしゃるのでしょう?お二人方?」


リーナはビルス達が隠れている木の方を見てクスリと笑った。

二人は木の影から出てくる。


「君…破壊していいかい?」


ビルスはギッとリーナを睨む。


「本心ですから…私はあなたが嫌いよ?」

「こいつ…」

「まぁまぁ、いいではありませんか。」

「く…」


ウイスはニコニコと二人を宥める。


「ふぅ…それでは、私もそろそろ帰りますね?」

「えぇ、また遊びに来てくださいねぇ?」

「おい、リーナ。」

「何?」

「あいつに言っておけ…次こそは負けないってな!」

「…分かった。では!」


そう言ってリーナも飛び立った。
リーナも見送った後、ウイスはビルスを見た。


「…あのように言ったのは…名無しさんに約束を破らせないためですか?」

「さてね…でも…僕もあいつと戦うのは楽しみだからね。」


ビルスはにやっと笑ってウイスを見上げた。
何だかんだ言っても考えてくれているビルスにウイスは微笑ましくなった。


「さて、悟空さん達が待っているでしょうから、戻りましょうか。」

「僕はシュークリームが食べたい。」

「おっほっほ!まだまだたくさんありますよ?」


そして二人もその場から立ち去った。


















『よっと!』


第6宇宙に帰って来た名無しさんは、濡れた体では風邪を引くので、そのままお風呂へと向かった。


『は〜スッキリした!』


濡れた髪を拭きながら名無しさんは服を着替える。


『あ〜さっき着てた服は捨てるか…』


ボロボロになってしまった服を見て名無しさんは溜め息を吐いた。


『……』


そこでふと思った。


『……リーナ……遅くないか?』


二人に挨拶をするだけなのに、時間がかかっているなと思い始めた。
服を着替え髪を乾かす。
それでもやはりリーナは帰って来ない。


『……なんかあったか?』


名無しさんが探しに行こうと思った矢先、部屋にある巨大な水晶玉が青く光った。


『……?』


恐る恐るその水晶玉に手を伸ばす。
そっと触ると水晶玉の中に何かが映った。
目を凝らしてよく見てみる。

名無しさんは目を見開いた。


『リーナ!!!!』


そこに映ったのは傷だらけで縛られたリーナの姿だった。


「やぁ!名無しさんちゃん?」


水晶玉から聞こえてきた声に名無しさんは顔をしかめる。


『…アレン!』

「覚えていてくれて嬉しいよ!」


名無しさんが呼ぶアレンという男は水晶玉には映らなかった。


「さて、言わなくても分かるね?」

『……』

「あれ?君の大切な人がどうなってもいいの?」

『待て!…分かった…今すぐ第5宇宙に行く…ただし…リーナに手を出したら…』

「分かってるよ…じゃあ待ってるね!」


そこまで聞こえて水晶玉には何も映らなかった。


『くっ!!!!』


名無しさんは水晶玉をガンッと叩いた。


『……あの時一緒に帰っていれば…』


名無しさんは後悔をしながら飛び出した。


『リーナ……』


思うは大切な人……




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