DB短編2

□望まぬ最強〜最終章〜
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ウイスは名残惜しそうに唇を離す。
すると名無しさんは真っ赤な顔でポカンとした顔をしていた。


「名無しさん?」

『〜〜!!』


パクパクと口を動かし、あからさまに同様している名無しさんにウイスはクスッと笑った。


「顔…真っ赤ですよ?」

『ウイスのせいじゃん!!!』


名無しさんは恥ずかしさに怒って立ち上がろうとするが、体がまだ言うことを聞かず、上手く立てなかった。


「ふふっ…」


そんな可愛い抵抗を見せる名無しさんをウイスは抱き上げた。


『きゃぁぁ!!』

「体が上手く動かないのでしょう?」

『うう〜〜』


恥ずかしいが実際そうなので何も言えない名無しさん。


『あ!リーナ!!』


名無しさんはふとリーナのことを思い出した。


『ウイス!リーナ!』

「大丈夫ですよ?リーナさんなら、ビルス様が見てくると…」

『そう…よかった…』


ほっと安心する名無しさんは、次に倒れているアレンをチラリと見た。


「大丈夫ですよ、気絶しているだけです。」


名無しさんはウイスを見上げ首を傾げた。


「お嫌いなのでしょう?…殺生が…」

『なんで知ってるの?』

「あなたの事ですから…分かりますよ。」


本当は名無しさんの過去話を聞いていたとは言えないウイス。
だが、名無しさんは嬉しそうに微笑んだ。


『ありがとう……』

「……」


だが、ウイスは名無しさんの体を見る。
頬には殴られた痣、口元からは血の跡、破られた服から見え隠れする胸、腹にも痛々しい痣……


「やっぱり殺しますか。」


ドスッとアレンを踏みつけるウイス。
アレンからうっと小さな声が聞こえた。


『え?ちょ!ウイス!』


名無しさんは慌ててウイスを止めた。


『もういいよ…帰ろう?リーナも心配だし…』

「…そうですか。」


仕方ないとウイスは名無しさんを抱き締め飛び去った……









その後、名無しさんは無事第6宇宙の自分の星に帰ってきた。
ビルスはリーナを手当していたらしく、リーナは名無しさんを見たとたん泣きながら抱きついてきた。


「申し訳ありません!私が捕まったから!」

『いいよリーナ!それより、無事で良かった……』

「名無しさん様のおかげです!」

『リーナ…こんな私だけど…まだ付き人でいてくれる?』

「名無しさん様…それは私の台詞です!」

『そっか!じゃあこれからもよろしく!』

「はいっ!」





リーナと名無しさんはお互いに抱き締めあっていた。






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