モンスターハンター4
□「地道なことからコツコツと」
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「こんなん聞いてねぇよ…」
一人ぶつぶつと呟いているのは、つい先程キャラバン専属のハンター(候補)になった洸夜。
キャラバンの団長に
「手始めにこんがり肉の納品だ」
とか…
「ハンターには薬草や回復薬ご必要だ」
だから回復薬グレードの納品とか…
「ほぼ雑用じゃねぇか…」
そう言いながらもアオキノコを採取していく。
「俺は…もっとこう…ドドンとでっけぇモンスターが現れて、それをかっこよくバシッと倒すって…思ってた…。」
「いきなりそんなモンスターに遭遇したら、すぐ死ぬのは目に見えてるニャ。」
洸夜の横で同じく採取するこのネコの名前は「クッキー」
(「アイルー?」
「そう!泣きながら草原を走っていたのは仮の姿…本当は…」
「ふぅん…なるほどね。」
「説明する前からヘルプを読まないで欲しいニャ!!!」)
「これで本当にハンターになれるのかなぁ…」
「大丈夫ニャ!そのうち嫌と言うほど戦うことになるニャ!」
やる気無さそうに草原を歩く洸夜。
すると遠くから何かがやって来た。
「なんだあれ?」
「あれはケルビニャ!」
「ケルビ?」
「あいつの角とか…皮とか…後々合成とかに役に立つ物が採れるニャ!」
「んじゃあさっさと狩りますか!」
洸夜は太刀を抜いて構える。
真っ直ぐ走ってくるケルビに、そのまま太刀を横に振って斬り、今度は縦に斬りつける。
「お見事ニャ!」
「まぁ、こんなもんだろ!」
ニカッと笑ってケルビを採取する。
採取が終わって背伸びをしたら、遠くからまた何かが走って来た。
「ん?またケルビじゃねぇか?」
ニッと笑ってまた太刀を構えた。
「やってやるよ…来い!!!!」
笑っていたのもつかの間…一匹だと思っていたが、そのケルビの後ろからわらわらと数多くのケルビが走って…いや、突進してきた。
「おいおいおい…嘘だろ?」
「旦那さん、頑張ってニャ!」
「お前も手伝えー!」
宣言したからには…どんどんと倒していく洸夜。
けれども、体力は徐々に減り、ケルビを採取する間もなく、ただただ太刀を降っていた。
「ちくしょう!これじゃあ採取ができねぇよ!」
「大丈夫ニャ!僕が採取するニャ!」
「お前も手伝えって!」
暫くしてケルビを全て倒し、残ったケルビを剥ぎ取る。
「あんまり取れなかったなぁ。」
「大丈夫ニャ。僕が採取した物は後で旦那さんの物になるニャ。」
「それは助かるぜ。…あ!」
突然洸夜は思い出したように立ち止まった。
「どうしたニャ?」
「本来…何をしに来たんだっけ?」
クエスト内容を忘れたらしく、洸夜は慌てて確認する。
「…特産キノコの納品五個か!」
ポーチの中をごそごそと探す。
「四個ある…あと一個か。」
「それじゃあさっさと採取するニャ!」
「おう!!」
「ふぅ〜やっと集まった。」
特産キノコがなかなか見つからず、最後のキノコポイントでようやく見つけられた。
「さて…目的も済んだし…帰るか!」
「はいニャ!」
二人はキャンプへ戻り、キノコを納品した。
終わりを告げる音楽ご鳴り響く。
洸夜くんのハンター生活はまだまだ始まったばかりだ。
「なぁ、クッキー。」
「どうしたニャ?」
「俺は立派なハンターになれるかな?」
「何言ってるニャ。むしろなってもらわなきゃ困るニャ。」
「そうだよな…これからもようやくな!」
「こちらこそニャ!」
→あとがき