DB短編2

□些細なこと
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『ウイス様のバカァーー!!!』


名無しさんはそう叫んでウイスの部屋を飛び出した。





ことの始まりは数時間前……


『ウイス様!チキュウのお話聞かせてください!』

「おやおや、名無しさんは本当に地球の話が好きですねぇ?」

『はいっ!』


名無しさんは時間がある時にはよくウイスに地球での話を聞かせてもらっていた。


『はぁ〜チキュウはいいですね…私行ってみたいです。』


ウイスの地球話に胸をときめかせ名無しさんはうっとりした表情をした。


「機会があれば一緒に行きましょう。」

『はい!それに…』

「?」


そこまで言って名無しさんはモジモジとした。


『ウイス様と…デート…してみたいな…って…』


ポッと顔を赤く染める名無しさん。
実は悟空からデートというものを教えてもらい、以来デートに憧れを抱いていた。


「デート?別にそんなことしなくてもいいじゃありませんか?」

『え……?』


ウイスのあっさりとした言葉に名無しさんは固まる。


『デート…嫌なんですか?』

「いえ…ただ、デートなんてこだわらなくても……」


名無しさんが思うデートはとても大切で楽しいものだと思っていた。


『…こだわっては…ダメなんですか?』

「いえ、そんなことは…デートなんて…」

『デートなんて……?』

「名無しさん?」


わなわな震える名無しさんにウイスは首を傾げる。


『ウイス様の…ウイス様の…』


名無しさんはテーブルをバンと叩いて立ち上がった。


『ウイス様のバカァーー!!!』


そして名無しさんはそのままウイスの部屋を飛び出した。





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