DB短編

□言える勇気
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(コンコン)

「どうぞ?」

『あ…あの…ウイス様…』

「おや、いらっしゃい名無しさん。」



今日こそ言うんだ!
ウイス様に「好き」って気持ちを!!


『こっ…こんにちは!ウイス様っ!!』

「はい、こんにちは」


椅子に座り優雅にティータイムを満喫するウイス。
名無しさんはその姿を見ただけで顔を赤くした。


「何かご用ですか?」

『へっ!?あ…あの〜』

「何でしょう?」

『きょ…今日もいい天気だなぁ〜と』


あ〜また言えなかったよ〜私のバカっ!
…と心の中で泣く名無しさん。
名無しさんはあがり症で、ウイスに想いを伝えたくも、緊張してなかなか言えずにいた。


「そうですね。今日も変わらない穏やかな日ですよ」


突然天気のことを話し出した名無しさんにウイスはくすっと笑って返した。
今ここに穴があったら入りたい…。
名無しさんは顔を赤くして俯いた。


「名無しさん。要件はそれだけですか?
良ければ一緒にお茶でもいかがです?」

にっこりと微笑むその顔は、名無しさんが見とれるほど眩しく、しばらく見つめたまま固まってしまった。


「名無しさん?」


『…っは!!!
す…すみませんウイス様!!
いただきます!』


「それは良かった。
では、今用意しますね?」


その日はそのままウイスとティータイムを過ごして終わった…
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