DB短編

□かなわない
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『ウイス様ぁ〜!』

「はい、なんですか?」


名前を呼べば、紅茶を片手ににっこり微笑むウイス様…
あぁ…ウイス様…いつも完璧と言えるあなたに弱点はあるのかしら?


『ウイス様!』


名無しさんはウイスに近づく。


「どうしたんです?」

『(今だっ!)えいっ!』


名無しさんはウイスの隙をついて頭に向かってチョップしようとした…が


「危ないですねぇ名無しさん?
いきなりどうしたんです?」


呆れた顔をして名無しさんを見上げる。
名無しさんのチョップはウイスには当たらなかった。


『(くっ…隙をついてもダメか!!)
…えへへ、ごめんなさいウイス様!
髪型が気になって…』

「…触らないでくださいね?」


ウイスは掴んでいた名無しさんの手を離す。

…地味に手が痛い。


『……ちょっとお手洗い行ってきます。』

「行ってらっしゃい」


クスクス笑うウイスを背に名無しさんは部屋を出た。
名無しさんはお手洗いではなく自室に戻り、ベットにダイブした。


『あ〜!作戦失敗かぁ〜!
ウイス様って弱点あんのかなぁ…
歌は…弱点とは違うな!あれはあれで武器になるし!』


以前は後ろから驚かそうとしても、後ろに立った瞬間に振り向かれた。
ならばとタックルをしてみても華麗によけられ、顔からダイブした。
…あれは痛かったなぁ
思い返してみれば、名無しさんの作戦は全部失敗に終わっている。
流石にお風呂やトイレの中飛び込むことは論外だ。
…見てみたいが鼻血物だな(いろんな意味で)


『明日こそやってやるぅ〜!』


そう意気込んだ名無しさんは枕に顔を埋めて寝た。
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