DB短編
□見かけによらず
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今日も静かな日、ウイスは一人湖を眺めながら、今日は何をしましょうかと考えていた。
「やぁ、ウイス。」
「おや、ビルス様。」
後ろからビルス様がウイスに話かけた。
ウイスは振り返って答える。
「ウイス、名無しさんが呼んでいたよ。」
「名無しさんが?」
「そ!行くよ。」
「はい。」
ビルスは名無しさんにウイスを呼ぶよう頼み、ビルスはウイスを連れ、名無しさんの部屋に向かった。
(ガチャッ)
「名無しさん〜」
『入る時はノックしてください。』
「そうですよビルス様。」
「関係ないね。」
ビルスはめんどくさそうにイスに座り、ウイスも隣に座った。
「さて…名無しさん、なぜ私達をここへ?」
『あ…うん!実は、ビルス様とウイス様が先日「チキュウ」という星へ行った時、ウイス様が「チキュウ」のお菓子の本を持ってきてくれたんですよ。』
「ウイス…僕が戦っている間に…な〜にをしてたんだい…?」
「あ…あの…ですねぇ…帰っても「チキュウ」のお菓子を召し上がれると思いまして…。」
あからさまに焦っているウイス。多分ウイスが食べたくて持ってきたのだろう…。
『んで、その本の中で美味しそうな物をいろいろ作ってみたんです!』
にこにこと自信満々にテーブルの上にお菓子を置いていく名無しさん。
「おや!」
「凄いいっぱいあるな。」
『いっぱい食べてくださいね。』
「ありがとうございます。いただきますよ。」
「これはなんだい?」
『それは「クッキー」ってお菓子ですよ。』
なかなか見ないお菓子にビルスとウイスは目を輝かせていた。
名無しさんが作ったお菓子はいろいろあった。
クッキーやドーナッツ、ケーキやゼリー。
「とても美味しいですよ名無しさん。」
『ありがとうございます。』
「甘くて美味しいね、何個でも食べれるよ。」
『どんどん食べてください!おかわりありますよ?』
「おや…これは?」
ウイスは丸い形の茶色い物を示した。
『あぁ…それは確か「ウィスキーボンボン」ってやつで、チョコレートの中にウィスキーっていうお酒を入れて作るんですよ。』
「なるほど…」
『私も食べてみましたがあまり…。』
「どれどれ?」
説明を聞いていたビルスは、一つつまんでひょいと口に入れた。