DB短編

□私とあなたの距離…2
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湖の側にウイスは立っていた。
先日ビルスが破壊した星にいた少女名無しさんと出会い、名無しさんはこの星に暮らすことになった。


「あ!いたいた。」


ウイスの後ろからビルスが近づいてくる。


「突然こんなところに呼び出してどうしたんだい?」

「少しお話がありましてねぇ」


ビルスはウイスの隣に座る。


「ところでウイス。
僕の知らない内に誰かいるみたいだけど…。」

「えぇ、今からそれについてお話しますよ。」


ウイスは名無しさんのことをビルスに話した。
ビルスが破壊した星にいたこと。
行く当てもなく、この星で暮らすこと。


「え〜めんどうだなぁ〜。」

「元はと言えば、ビルス様が罪も無い星を破壊されたからでしょう?」

「うっ…わ…分かったよ!分かった!
つまり名無しさんっていう奴がこの星で暮らしていくってことだろ?」

「えぇ、ですから仲良くしてくださいね?」

「気に入らなかったら破壊していい?」

「ダメです!」

「…とりあえず会ってみるよ。」


ビルスは立ち上がって名無しさんのところへ向かおうとした。


「あぁ!ビルス様!」

「なんだい?」

「名無しさんの星を破壊したのがビルス様だということは言わないでくださいね?」

「確かに…分かったよ。」


そう言ってビルスは去っていった。


「本当に大丈夫でしょうか…」



その頃名無しさんは、ウイスから案内された新しい自分の部屋にいた。


『凄い…小物も服も全部揃ってる…。』


名無しさんはいろんな服を眺め、自分に当てて楽しんでいた。


『きれい…』

(コンコン)

『はい?』


ノックされた音に返事をすると、開いたドアからビルスが出てきた。


『え…あの…』

「やぁ、僕はビルスっていうんだけど…」

『ビルス様!ウイス様からお話を伺っていました!』


名無しさんは目を輝かせて答えた。
流石に目を輝かせるとは予想していなかったビルスは少し気が緩んだ。


「なぁ〜んだ。聞いていたなら話は早いね。
君、これからここで暮らすんだろ?」

『はい!よろしくお願いします。』

「僕、ちょうど暇してたから遊ぼうよ。」

『はい!何して遊びましょうか?』


二人はまるで子供のように楽しそうにしていた。
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