DB短編

□危険な罠
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ある日のこと。
名無しさんは暇だったので、一人でテクテクと散歩をしていた。
すると、道端に小包が落ちているのを見つけた。


『…何これ?』


名無しさんは何気なく広い、小包を開けてみた。
中に入っていたのは可愛らしい透明な丸い形の小瓶。中には星の形をした小さな白い粒が入っていた。


『…きれい。』


小瓶を天に向け、透かせて見ると、光が小瓶の中の粒の間から漏れ、その粒がキラキラと輝いていた。


『うわぁ〜』


あまりのきれいな物にしばらく透かせて見ていた名無しさん。
ふと、この小瓶が入っていた小包を見た。


『あれ…?手紙?』


小包の中にカードのような物があり、名無しさんはそれを手にとって見てみた。


『えっと…「名無しさんさんへ」って私!?」


カードには名無しさんの名前があり、この小包は自分宛の物に驚いた。


『えっと…「名無しさんさんへ。
いつも頑張ってるあなたに贈り物です。
あなたの手作りお菓子の中に入れてみて?」かぁ…。』


名無しさんはカードを読みながら屋敷に帰っていった。


『お菓子かぁ…』


帰ってきた名無しさんは早速キッチンに立っていた。


『何作ろうかな?
あ!クッキーにしよう!』


エプロンをいそいそと付け、早速クッキーの材料を出し、作り始めた。


『えっと…最後にこの粒を入れて…。』


小瓶の蓋を外し、サラサラと粒を入れ混ぜた。
星のような粒が生地に混ざる。
それはまるで宇宙の景色にも見えた。


『あとは焼くだけ。』


オーブンでクッキーを焼く。
香ばしい香りがキッチン中に広がった。


『いい香り!よし!焼けた!』


鼻歌を歌いながらオーブンから出して台に置いた。


『そうだ!せっかくだからアザランを飾ろう!えっと…アザランアザラン…。』


ごそごそと引き出しを探すが、それらしき物は見当たらない。


『あれ〜?部屋に置きっぱなしだっけ?』


名無しさんはパタパタと自分の部屋に探しに行った。






『ん〜部屋には無かった…。』


キッチンに戻ってきて、首を傾げる名無しさん。
ふと目の前の棚を見た。


『あ!あった!なんだ、棚にあったのか〜。』


棚からアザランを出し、それをクッキーに埋め込んで飾れば完成だ。
『あれ?クッキーの数が減って…まぁいっか。』


そして名無しさんは飾り付けを始めた。
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