DB短編

□言える勇気
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『はぁ〜どうして言えないんだろうなぁ〜』


自室のベットに寝転がってお気に入りのクッションを抱いていた。


『今度はいけると思ったのに…
しかも『今日はいい天気だなぁ〜』って…
恥ずかしすぎるよぉ〜!!!!』


一人部屋で叫ぶ名無しさん。
ウイスに告白しようと決意してから、毎晩のように反省会をしていた。


『よしっ!
今から告白練習するぞっ!』


そう言ってクッションを放り投げて、壁に向かってひたすら告白練習する名無しさん…


『『ウイス様…好きです!』
…違うな。
『ウイス様のことが好き…かなぁ〜って…』
ん〜絶対本気にされない。
『私と付き合って!!』
…はうるさいわね』


何をしてるんだと言いたくなるが、名無しさんは本気でやっている。


『はっ!例えウイス様に告白しても、振られたらどうしよう!
うわぁ〜ん!立ち直れないよぉ〜!』


一人騒いで泣いている名無しさん。
すると…


(コンコン)

『え!?はぁ〜い、どちら様ですかぁ〜?』

「私ですよ。」


ガチャッと開いたドアからはくすっと笑ってウイスが顔を出した。


『(ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!)
ウ…ウイス様!どうしたんですか!!?
(…まさか今の聞かれたわけじゃ…)』


顔は青を通り越して真っ白になる名無しさん。
先程の告白練習を聞かれていたら…
穴に入るだけでなく、もう…死にたい…。


「たまたま部屋の前を通ったら「うわぁ〜ん」と泣く声が聞こえましてね?
名無しさんに何かあったかと思ったんですよ」

『はぁ〜良かった。』

「何がです?」

『い…いえ、こっちの話です。』


どうやら聞かれていないみたい…良かった…
ほっと安心した名無しさん。


「本当に大丈夫ですか?」

『はい!大丈夫です!』

「なら良かった。では失礼しますよ。
おやすみなさい、名無しさん。」

『は…はい!おやすみなさい、ウイス様!』


ウイスはまたくすっと笑ってドアを閉めた。
徐々に遠くなる足音。
名無しさんは生きた心地がしなかった。


『はぁ〜、危なかった。
よし!明日こと告白するぞ!
成功しますように!
神様、仏様、ビルス様〜!』

ビ「僕に言われても…」


そして名無しさんは明日に備えてベットに潜り込んだ。
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