DB短編

□悪夢再び
3ページ/4ページ


二人が逃げた先はキッチン。
ぜえぜえ息を荒くして二人はようやく止まった。


「あいつなんなんだ。」

『まったく…です。ハァハァ…』

「大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃないね、っていうかなんで僕まで…」

「そうですねぇ…ビルス様がいなければ私は名無しさんを直ぐ捕まえられますが…」

『そんなこと言わず助けてください!ビルス様!ウイス…様?』


そして二人は気付いた。
どう足掻いてもこの人から逃げられないと…。


(がしっ)

「行きましょうか名無しさん。」


にっこりとウイスが名無しさんの肩を掴む。


『や…ビルス様助けて…』

「僕には無理だね。」

「…だそうです。行きましょうか。」

『嫌だあぁぁぁぁぁ!!!!!』


ウイスは名無しさんを抱き上げ、自室へと向かう。
ビルスは名無しさんに心の中で誤り、二人を見送った。



〜ウイスの部屋〜

(ドサッ)

『ちょっと待ってくださいウイス様!』

「何を待つんです?」

『いろいろ!』

「待ちませんよ。」

『花瓶…花瓶…』

「花瓶は先日あなたが割ったではありませんか。」

『叩ける物…!』

「諦めなさい。」

『嫌あぁぁぁぁぁ!』


哀れかな、武器が周りに何一つなく、名無しさんはウイスの餌食となりましたとさ。


〜翌日〜
「おはようございますビルス様。」

「んぁ…おはよ〜。」

「ビルス様、顔は洗いましたか?」

「それよりウイス…名無しさんは?」

「はい…気が付いた時には隣で寝ておりましたが…。何かあったのでしょうか。」

「…………気の毒に」

「何か?」

「いいや…多分名無しさんはしばらく寝込むだろうね」

「はぁ…」


なんのことか分からず首を傾げるウイスに、呆れ顔のビルスは今頃ウイスの部屋で唸っているであろう名無しさんに同情した。


「まぁ…見捨てた僕にも非はあるけど…
後々怖いなぁ…」


そう言ってビルスは一人苦笑いをした。

〜完〜
→あとがき
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ